ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「じゃあ、どんな話だと思ったの?」

「てっきり宣戦布告かと……」


……宣戦布告、って。


「それ、圭太くんにも言われた」

あたしが言うと、大西さんはプッと笑った。


「でも良かった。安心した。さっきはあんなこと言ったけど、蜂谷さんが相手だったら勝てる気しなかったから……」

ホッと胸をなで下ろす大西さん。


あぁそっか、知らないのか……。


「そんなことないよ。あたしキッパリふられちゃってるから」


悔しいから『二回も』なんて、言わないけど。


「石丸くんが大西さんを好きな理由、今ならわかるよ」


そう告げて、食べかけのシフォンケーキをもう一度かじる。


ふんわり、とっても優しい味がする。


「美味しい」と目を細めると、大西さんは少し顔を赤くして、


「今日会ったときからずっと思ってたんだけど、蜂谷さん……ちょっと雰囲気変わった、よね?」


躊躇いがちに指摘された。