ハチミツみたいな恋じゃなくても。



はぁーっと大きく息を吐く。

自分から会いたいと申し出ておいて、いざとなったら逃げたくてたまらないなんて、あたしも弱い人間。


圭太くんに大西さんとのことを頼んで、結果の連絡をもらったのは翌日の昼だった。


『週末の金曜なら空いてるらしいけど、どうする?』


そう聞いてきた圭太くんに、じゃあ金曜の放課後でとお願いした。


もしかしたら会ってくれないかもと思っていたから、約束を取り付けられてホッとした。

それに、心の準備はしっかりとしてきたつもり。


……なのに、いざその時が近付いてくると、緊張して不安になってきた。


はぁーっと、もう一度息を吐き出すと、静かなその場に響くよう。


でも、何でこんな所なんだろう……。


大西さんが指定してきた場所は公園だった。

遊具があって、子ども達が沢山遊んでいるような公園ではなく、ジョギングコースとかになっていそうな大きな公園。

あたしはそこの、湖の前に設置されたベンチに座って大西さんを待っていた。