ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「意味、わかんないんだけど……。嫌だったなら、他のやつにすれば良かったじゃん。あたしは別に……」

他の映画でも良かったのにと言おうとすると、


「今日はどうしても一緒にいて欲しかったから」


言いながら、圭太くんは座席から腰を上げた。


え……?

「あ、ちょっと……!」

通路側から順に立ち上がる人の波。あたしも迷惑にならないように立ち上がるけど、

またはぐらかされるわけにはいかない!

そう思ったあたしは、前を歩く圭太くんのシャツの裾を掴んだ。


すると、振り返った圭太くんは少し驚いた顔。


今日はどうしても一緒にいて欲しかった……って。


「……どういう意味?」


逃がさないと、詰め寄るように問いかけると、圭太くんはキョトンとした後に小さく笑った。


「もう少し付き合ってくれたら、教えるよ」