ハチミツみたいな恋じゃなくても。



それから、他愛もない会話をしながら昼食をとって、映画館に戻った。

売店で飲み物と、圭太くんはポップコーンも買って、指定されたシアターに向かうと、案の定女子だらけ。

彼女に連れられ渋々着いてきた……という雰囲気の男性も何人かいたけれど、その数の少なさは圧倒的で。


「ねぇ、やっぱり恥ずかしくない?」

「何が?」

チケットを片手に座席を探す圭太くんに問いかけてみるけど、あまり気にしてなさそう。


もしかして、圭太くん自身が観たかっただけだったりして……。

少女漫画といえど、読んだことがあるんだから充分あり得る。

そう思ったあたしは、それ以上は何も言わずに黙って座席に腰掛けた。


圭太くんも観たかったのなら、特に何も気にすることはないかと思って。

……だけど。


映画の開始から15分ほど。

視界の隅にカクンカクンと、揺れるものが入り込んで隣を見た。

するとそれは圭太くんの頭。

耳をすませばスースーと小さな寝息さえ立てて、圭太くんは眠っていた――。