ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「え……」

名前を聞いただけで、ドキンと鼓動が跳ねる。
動揺して、指先が震えてしまいそうになる。

でも……。


「大丈夫だよ。あいつ、蜂谷のことそんなに悪くは思ってないから」


聞いてもないのに、石丸くんのことを話す圭太くん。


「むしろ、あいつもちょっと罪悪感かんじてるみたいだし……」


――どうして、そんなことを言うの。


「……さすがにもう、石丸くんとどうにかなろうとか思ってないから」

「本当に?」

「本当に」


人のことをどれだけポジティブ人間だと思っているんだろう。

そんな思いを込めて見ると、「強がらなくてもいいのに」と、わかったように笑うから、黙って目を背けた。


強がってなんかいない。

全く気になっていなかったかというと、少しは気になっていたけど……諦めはもうついてる。


それなのに……どうしてそんなこと言うの。

あたしのこと、好きなんじゃないの?


俺にすればとか、言ってきたくせに。

簡単に石丸くんの話を出すから、わからなくなる……。