「もしかして、原作のイメージ崩したくないから観たくないとか?」
「あ、いや……」
「じゃあいいじゃん」
何の問題があんの?と言わんばかりの顔をして、圭太くんは平然とチケットを購入する列に並ぶ。
そして当初の予定通り、2時からのチケットを買った。
「時間あるし、先に昼飯でも食べに行こっか」
「うん」
圭太くんの言葉に頷いて再び歩き出すけど、
「何か食べたいものとかある?」
「うーん……特にこれっていうものは」
曖昧な返事をしながら、あたしは少しびっくりしていた。
だって、漫画を貸していたとしても、あたしが好きだったことを、わざわざ覚えているとは思わなかった。
それに、何だかんだんだ言いながら、圭太くんが一歩前を歩いてエスコートしてくれているし……。
さっきの、待ち合わせのことだってそう。
今までの意地悪ばっかりな圭太くんからは想像出来ないっていうか……
なんか、本当にあたしのことが好きみたい。



