ハチミツみたいな恋じゃなくても。


圭太くんのくせに……。

……って、何でこんなことを思うのかわからないけど、少しだけムッとして彼の背中を見つめたときだった。


あれ……?

ふと気付いたのは、彼の首筋に付いた汗。

そういえば噴水の前に影はなく、結構日が当たっていたような気がする。

でも、短時間立っていただけならば、そんなに汗をかくような陽気じゃない。


待ち合わせ時間ギリギリだったし、女の子達に囲まれていたしで、聞いてなかったけどもしかして……。


「ねぇ、もしかして結構待たせちゃった?」


ほんの少し歩く速度を上げて、圭太くんの隣に立って聞いてみた。

すると、圭太くんは少し考えるような間を開けたあと、


「すっげー待たされたって言ったら、手でも繋いでくれんの?」

「はっ、何言ってんの!?」


こっちは真面目に聞いているのに、ニヤッと笑ってふざけたことを言うから、つい声を大きくして立ち止まる。

そんなあたしの反応をクスクスと圭太くんは笑って。


――結局また、はぐらかされた。

きっと結構待たせてしまったのは、間違いないのに。


あたしはまた『ごめん』のひと言を、言いそびれてしまった。