「……すごいのは圭太くんの方じゃん」
「ん?」
「随分とおモテになるみたいで」
「……」
ボソッと呟くように言った言葉に、何故だか圭太くんはキョトンとする。
「な、何……」
モテてるのは事実だし、変なことを言ったつもりもなくて問いかけると、
「もしかして、妬いてる……?」
「はっ?」
「んなわけないかー」
あたしが否定する前に自己完結。
圭太くんはまたくしゃりと苦笑して、「蜂谷ほどじゃないよ」と、返事した。
「とりあえず行こっか。映画、チケット買わなきゃだし」
「あ、うん……」
促されて歩き始めるけど、何となくはぐらかされてしまった気分。
映画を観ることは事前に決めていて、それが最近公開されたばかりのもので。
確かに早いところ、座席をおさえておきたいのはわかるんだけど……。
圭太くんより一歩後ろを歩いていると、色んな人の視線を感じる。
言われた通り、あたしに向けられる男の人の視線もあるけど……
それと同じくらい、圭太くんも女子にチラチラと見られてる。



