ハチミツみたいな恋じゃなくても。


待ちぶせされていたときと同じ。
圭太くんを囲んでいた女の子達が、一斉にこっちを向いて。

「え、彼女ってあの人?」

あたしを見た女子のひとりが、少し驚いた様子で圭太くんに問いかける。すると、

「そう」

満面の笑顔で圭太くんは頷いた。


「えー!!めっちゃ美人じゃんっ!あんな人に勝てない!」

女の子はそう声を上げると、パシッと圭太くんの胸を軽く叩いて。

「せいぜい振られないようにね」

「じゃあまた学校で」と、名残惜しそうにしつつ笑顔で手を振った。

そして、こっちに軽く会釈して歩いて行った。


てっきり睨まれたりするものだと思っていたから、あまりにあっさりした退散に拍子抜け。

すると、ポカンとして立ち尽くすあたしに近付いてきたのは、圭太くんの方で。


「さすが蜂谷はすごいなー」

「すごいって何が?」

「彼女って言うと、女子が諦めてすぐいなくなるから」

クスクスと苦笑しながらそう言われた。