「あぁ、ごめん。さすがにちょっと緊張して」
手で口元を覆い、目を逸らして返事した圭太くん。
……緊張?
その態度と言葉は予想していたものとは違って、あたしは思わず目をパチパチさせた。
「緊張って、なんで?」
「……蜂谷、それ本気で言ってる?」
思ったことを素直に言葉にしてみれば、ムッとした顔を向けられた。そして、
「そんなうぶじゃないんだからさ、昨日のでわかってんでしょ」
圭太くんは一歩、あたしへ近付くと、
「俺が蜂谷のこと好きだって」
真っ直ぐ、あたしの目を見てそう言った。
「っ……!」
あまりにストレートに言われた言葉に、思わず後ずさる。
瞳にも言われた。
自分でも考えて考えてたどり着いた結論は、それだった。
……だけど!
「ふっ、ふざけないでよ!」
「はぁ? どこがふざけてんの」
咄嗟に上げた声に、圭太くんは眉を寄せる。
好きだと言ってくれてる人に、『ふざけてる』だなんて、さすがにあたしも失礼だとは思う。
でも……。



