ハチミツみたいな恋じゃなくても。


***


まさか……まさか、今日顔を合わせて話をすることになるなんて、思わなかった。


あれから、ここじゃ話しづらいからということで、とりあえず歩き出したあたし達。

「どこか寄る?」って、圭太くんが聞いてきてくれたけど、お店とかで向かい合ったら、それこそ話が進まなそうで。

家の方向は同じだし、帰りながら話をしよう、ということになった……の、だけど、


あたし達の間に、それらしい会話はまだひとつもない。

あたしも圭太くんも黙って、ただ足を前に進めているだけ。


……なんなの。
なんで何も言わないの!?

初めは圭太くんが口を開くのが怖かった。

何を言われるんだろうってドキドキして、話を聞くのが怖かった。

だけど、こうして何も言われないのも困る。


「あっ、あのっ!」

痺れを切らしたあたしは立ち止まって、圭太くんをギロリと睨みつけた。

「話があるんじゃなかったの!?」

あたしだって暇じゃないんだから。
困ってる姿を見て楽しんでるだけなら、やめて欲しい。

そんな言葉を飲み込んで、圭太くんを見る。

すると、