大して知らないクラスメートに、好きって言われた直後、同じように告白を受ける彼を目撃したこともあった。
聞こえた返事は、『ごめん』で。
一緒だと思った。
あたしと石丸くん。
似てる……って、離れた場所からぼんやりと思った。
一方的に抱いた仲間意識。
直接彼に言うことはなかったけど、思えばこの時から少し、彼が特別な存在になっていたのかもしれない。
そして、それが決定的になったのは……その年の冬。
誰かの好きな人が、あたしに告白してきた。
そんな、とても小さな出来事をきっかけに、あたしは女子からハブられるようになっていた。
でも、全員が全員というわけじゃなくて、変わらず親しくしてくれた人もいた。
だからそれほど、気に病んではいなかったのだけど……。
