「……」
さらりと告げられた言葉に、あたしは口をつぐむ。
やっぱり……。
やっぱりそう思う、よね……。
昨晩から一睡も出来なかった理由は、これ。
圭太くんの言った言葉の意味を考えていたら、全然眠れなかった。
だって……。
「……告られてるのに、何か全然嬉しそうじゃないね?」
不思議そうに顔を覗き込む瞳に、あたしはため息で返事した。
「嬉しいとか嬉しくないとかの前に、頭がついていかない………」
だって、圭太くん。
相手はあの圭太くん。
性格悪いとか平気で言うし、人のこと馬鹿にしてからかってばっかだし……。
昨日あんな決定的なことを言われた今でも、やっぱりいつものようにからかわれてるだけなんじゃないかと思う。
でも……
昨日の圭太くんの様子は、紛れもなく“本気”だった。
冗談で抱きしめている感じではなかった。
それくらいあたしだってわかるから、眠れなくなるくらい困惑しているわけで……。



