冷静に考えれば考えるほど、惨めになる。
振られたくせに諦められず嫉妬して、人を傷つけてしまった自分が。
その上、好きな人に目を向けられることもなく、置き去りにされてしまったんだから、惨めすぎて笑える。
……本当はね、分かってるの。
大西さんに何を言おうが、負けてしまっているのは自分だって。
石丸くんが選んだ人には、どうやったって敵わないって。
それでも……。
「どうしたらいいか、自分でも分からなくなるんだもんっ……」
告白したときも、今日も。
彼の近くにいると、想いが溢れて止まらなくなる。
素直で、醜い気持ちの制御が効かなくなる。
「あの子が羨ましいっ……」
あたしだって、石丸くんの隣に座りたい。
放課後デートして、ケーキを半分こして、美味しいねって笑い合って。
泣いてしまった自分の名前を呼んで、心配して追いかけてきてほしい。
それなのに……それなのに。
「あたしがそばにいて欲しいのは、あんたじゃないっ……」
まるで八つ当たり。
あたしは自分を抱きしめる圭太くんに向かって、声を荒げていた。
圭太くんの前で泣くのだけは嫌だったけど、ポロポロとこぼれ出した涙は止まらなくて。