ハチミツみたいな恋じゃなくても。


「もうずっとね、一緒にいたんだ。学校での練習が終わってからも、ふたりについて行ってここでの練習に付き合って」


あの頃ふたりに……石丸くんに一番近い場所にいた女の子は、間違いなくあたしだった。

それなのにどうして……どうして今、一番近くにいる女の子はあたしじゃないんだろう。


「……何か後悔してきちゃったな」


ボールを奪い合うふたりを眺めながら、ペットボトルを持つ手にぎゅっと力を入れる。


「あたしもふたりと同じ高校に行けば良かった。そしたら……」


ゆっくりと大西さんに目を向ける。

これ以上は言っちゃダメだと思いながらも、止まらなかった。


「石丸くんの彼女になれたのは、あたしだったかもしれないのに」


「え………」


思わず零れた本音。

大西さんは目を見開いて、戸惑った顔をする。

その様子がまたあたしをいちいち苛立たせて。


「どうして石丸くんなの?マネージャーをやってるわけでもない、サッカーにも興味がなさそうなあなたがどうして?」


最低なことを言っている。

その自覚はあるのに、あたしは詰め寄るのをやめようとしなかった。