「羽都音ちゃん、悪いんだけどそういうことだから、ちょっと二人で話してもいいかな」
「ってコーヅ君強羅のこと知ってるの?」
「ん? ぜんっぜん知らない。でもほら、彼が僕に話があるみたいだからさ。僕は特にないけど。それに羽都音ちゃんの友達なら悪い人じゃないでしょ?」
「……それはそうだけど」そういわれると言葉が出ない。
「じゃ、ちょっとだけ。ね」
強羅と自分を交互に指さし、話がしたいことをジェスチャーし、困った顔をしながら首を横に傾けた。
「コーヅ君までそんなことを。わかったよ」
羽都音はしぶしぶ強羅から空のペットボトルを受け取ると、喧嘩なんかしないでよねと言い残し、小走りに公園の隅に設置してあるゴミ箱まで走った。
後ろから強羅がゆっくりでいいぞーと声をかけてきたが、羽都音はそんな言葉には反応せずに華麗に受け流した。

