「僕と話したいならそうちゃんと言ったほうがいいよ。じゃないと羽都音ちゃんだって不信がるよ」
「そうだよ強羅。はっきり、え?」
コーヅの淡々という言葉に心はこもっていない。
強羅とコーヅはしばらく無言で視線をぶつけ合い、お互いを探っていた。
「ちょっと待ってよ。話ならあとで。強羅、私コーヅくんとこれから行くところがあるからさ、うち帰ったら連絡するからとりあえず」
「じゃ、俺も行くよ」
「ちょっと! いい加減に……」
「いいんじゃない。僕はそれでかまわないよ」
「だろうなあ」
「ちょっとコーヅ君まで。いや、本当にごめん、ちょっと待って」
コーヅの腕に触れようとしたがそれをかわすようにコーヅは腕組をし、強羅の方へ一歩寄った。

