家の周りは砂利のような小石で引き詰められている。
木々は塀の周りに薄く植えてあるだけで家からだと360度ぐるりと見渡せる作りになっていた。
誰がどの角度から侵入してきてもすぐに分かる。
土地の総面積に対して家の建坪はかなり小さくアンバランス。
真ん中にこじんまりと建ち、塀との距離はけっこうあり、どうみてもおかしな造り。
そこに小石が引き詰められていて、歩くたびにじゃりじゃりと音がたつ。
やはりどう好意的に考えても、ふつうじゃない。
二階建ての家は小さい洋館を思わせ、ダブルドアは不釣り合いのように見えた。
「どうぞ」
音もなくドアが開き、中から小田原の奥さんが顔を覗かせた。
青白い顔にパサついた髪、やつれているのがはっきりとわかる。
「さ、中へ入って」
「小田原先生は?」
「え、ええ、中にいますけど」
「そうですか」
変な間を感じたが、顔を見合わせた二人は言われるままに、招かれるままに家の中に上がった。

