冷凍保存愛


「あんにゃろー。なんも言わずに行くかふつう」

 何も言わずに姿を消したコーヅに対し、舌打ちし、迷惑極まりない押し方でインターフォンを連続的に鳴らしまくった。

「ちょっと先生いないの? わざわざ来たんだけど。開けてー、入れてー、開けてー、おーい!」

 ピンポンピンポンピンポンとリズムよく押し続ける強羅は半ばやけくそ。

 どこかに消えたコーヅといい、出てこない小田原といい、電話に出ない羽都音といい、イライラすることが多い。

「そんなに押しても無駄だよ」

「おお! だから足音もなくいきなり目の前に現れるなって」

 いきなり目の前に現れたコーヅに驚き一歩後ろに退く。

「中にはいないよ。見てきた」

「見てきたってまじかよ。早いな。で、誰もいないのかよ」

「いなかった」

「じゃ、羽都音はどこへ」

「車が無いからたぶんどこか行ったんじゃないかな」

「どうすんだよ」

「今考えてる」

「ここじゃないとなるともうあれだぞ、分からないということに……」