学校付近から小田原の家までは車で15分のところでけっこう近い。
校長室で見つけた小田原の住所をたよりにここまで来た。
少し手前でタクシーを降りた二人は小田原の家の周りを一周し、どうなっているのか確認した。
家のまわりは高い塀でぐるりと囲ってあり、これを乗り越えて入るのは不可能だ。
巨大な黒い鉄壁の門が表玄関にそびえ立ち、中をうかがい知ることはできなかった。
垣間見える木々の間からは白亜の建物がちらりと見える。それ以外は何も見えない。
家の周りに防犯カメラが設置されていることに気付いたコーヅは、既に見つかっているかもしれないということを感じ、強羅にカメラの存在を告げた。
「素直にインターフォン押したほうがよさそう」
カメラを指さしてそっちに顔を向けさせた。

