「おう。って、でもよ、まさかおまえ、先生だぞ。先生がそんなことするか? そ、そんなことするとは言い切れないよな」
「言い切れないとも言えないよね。いいから行ってみよう」
「今から?」
「じゃ、いつ行くわけ?」
わかったよ。と折れた強羅は羽都音に電話をかけるからとスマホを出した。
そこで羽都音からラインが入っていることに気付き画面をタップすると、
『道子の居場所が分かった! 小田原先生のところにいるって。
今先生から連絡あって、道子が熱出しちゃって具合悪そうだから奥さんと診てくださってるんだけど、どうやらうわ言で私の名前を呼んでるみたいなんだ。道子のお母さんにも連絡してるみたい。あ、道子は小田原先生がやってる勉強会の夏期合宿中だったみたいだよ。
だから迎えに行ってくる。用事終わったら来て。あ、LINEして』
「早く電話して」
「今してる!」

