「いやまさかそんなはずは」
「君はこの人知ってるの?」
「顔くらいはな。なんせ俺だってまだ来たばっかだし、廊下で見るくらいで話したことはないけど、女子の人気は高いって噂」
「道子ちゃん、この人に会いに行ったんじゃないかな」
「なんでそう思うんだよ」
「ここ見て」
今手に持っている紙には今までの経歴も載っている。そこには1年の任期で学校を転々と変わっていることまで書かれていた。なぜそんな教師を雇ったのかは調べることはできないが、何かがあるとコーヅは思った。
「でもこういう先生ってけっこういるんじゃないのか、ほらここにもいる」
「それはそうだと思う。でもね、こいつ、」
「こいつって言うなよ」
「思い出したんだけど、僕が前にいた学校にもいたことあるんだよ」
「………」
「確か、その前は……」
「失踪者リストに名前が挙がってるあの……」
「そう。南北青山高校」
「どうなってんだ」
「わからない。でも何かあるはず。羽都音ちゃんに連絡しないと」

