その手を庄司くんが掴み直したから驚いた。 どういう心境の変化? じっと庄司くんを見つめる。 「緑さんの気持ちはわかってました」 「庄司……くん?」 「でも、好きな人との2人っきりは、とてつもなく緊張するんです。バスケの試合より、試験の本番より。なんたって僕はヘタレですからね」 そう言って、苦笑いした。