―――放課後。



いつものように部活に出ていたけど。



こんな時にボールを追いかけてなんかいられなくて。





「ちょっとトイレ行ってくるよ…」




香織に声を掛けると、あたしは体育館を出てトイレに向かった。



用を足したいわけじゃないけど、なんとなくぼーっとしたかったから。





はぁ…っと大きくため息をついてとぼとぼと歩いていると、声をかけられた。




「安西さん!」




それは知らない男子。



上履きの色から判断すると同級生っぽい。