「もうすぐ来るみたいですね、電車」 庄司くんが、あたしの後方に延びる線路に視線をずらした。 「……うん」 こんな時にまで。 空気読めっつーの、チャイム。 「あ、まつ毛だったんですね!出たみたいですよ」 「……?」 男のくせ胸ポケに忍ばせていた手鏡を広げ見せてくれる。 あたしの頬には1本のまつ毛が張り付いていた。