「じゃあ、始めようか?」 千紗は教室の電気を消し、カーテンを閉める。 教室はとたんに暗さを増した。 そして、椅子を円状に並べ、その真ん中には懐中電灯を置いていた。 「はりきってんな……」 思わず、そんな言葉が漏れた。 「千紗は怪談話が本当に好きだからね」 僕達は千紗が用意した椅子に座る。 千紗は懐中電灯をとって下から自分の顔を照らす。 「さあ、いまからお話しましょうか……」 千紗がフフッと楽しそうに微笑み、ゆっくりと語り出す。