「だ、誰?」 「「恵子だよ」」 僕の問いに久美と千紗が答えてくれた。 「話に割り込んじゃってごめんね!」 あの声はこの女の子だったらしい。 あの声とは打って変わって澄んだアルトボイスだった。 本当にこの人だったのだろうかと疑ってしまう。 ……でも、良かった。 千紗が言っていた口裂け女の少女じゃなくて。 ほっと胸を撫でおろした。