高校に進学して野球部に入部した時から、バッテリーは控えとしてダッグアウトに居た。
進級してからは、3年生バッテリーよりも実力があると判断され、先発としてマウンドに上がった。
「すげえな、清水と川口は」
「次は絶対に負けねえぞ」
上級生からレギュラーを奪うと執拗なイジメにあう。
よく耳にしていたが、豊岡と後藤のバッテリーは異なり、二人の実力を認めれくれた。
遥たちはとても嬉しく思い、同時に一試合でも多く勝てるようにと練習にのめりこんだ。
そうして迎えた、インターハイの県予選。
3回戦でぶつかった相手は、無名の高校だった。
けれども、ピッチャーがすごかった。
遥以上の実力を持っていたのだ。
誰一人として塁に出すことを許さず、遥たちは一点も取ることができなかった。
負けない。
その一心で遥も投げたが、点差はじわりじわりと広がっていた。
7回の裏、5点を追う形での守備。
1つアウトを取って、この調子だと自分に言い聞かせたとき、遥は打たれた。
フライでもライナーでもない。
9番打者に打たれたボールは、電光掲示板に吸い込まれるようにぶつかった。
ホームランだった。
沸き立つスタンドに寒気をおぼえた。


