「なら血を見ることにはならなそうだなっ」 「……どんな心配してんだお前」 快活に言う言葉じゃない。 「ふー、今度理波ちゃんと病院来てくれよ。儚と待ってるからさ」 気づけば、刹那の家の前だった。 昔造りの木造の平屋建て。 刹那の家だと思えば、見覚えもある。 ……ような気もしなくない。 ……うろ覚え過ぎる……。 「ああ。今日はありがとな。機会があったらまたメシ作ってくれ」