ピタッと止まる足。
「……そんなことしてみろ。
───俺だけで済む問題じゃないぞ。」
「っ、」
男たちの顔は、みるみる青ざめていく。
「ナイフを、捨てろ。
そして、理沙を離せ。」
そう言うと、男は悔しげに……苦しそうに顔を歪めてナイフを落とした。
カシャンッ───っと、乾いた音がやけに耳に残った。
「……朝っ!」
パタパタと走ってきた理沙。
──あぁ、愛しい人が俺の方へ向かってくる。
そんな、些細なことでさえ、幸せに感じる。
「理沙……。」
俺は、理沙をギュッと抱き締めた。
細い、細い体をギュッと。

