恋ごころトルク



 カラン。ガラスがはめ込まれた木製のドアを開けるとベル。カフェスペースは、4人座りのテーブルが4つ、あとカウンター席5つといった感じ。アメリカの国旗やナンバープレート、ポスターなんかが壁に貼ってあって、「coffee」とか「beef」とかいうネオンも光ってる。けっこう本格的にご飯食べられる感じがするんだけど……併設されてるっていうか、簡単なカフェスペースなのかと思っていた。

 カップルがカウンターに座ってサンドウィッチみたいなのを食べていた。

「いらしゃいませ」

 女性スタッフが笑顔で迎えてくれる。あたしよりも年上、母親よりはちょい下くらいだろうか。

「テーブル、いいですか?」

「どうぞ」
 カウンター内に若い女性スタッフも居る。勝手に母娘だと決めた。

 さっきカフェボードを見た時、チキンサンドセットというのが目に入った。「オススメ!」ってあったし、そういうのに弱いから。

「チキンサンドセットひとつ」

 着席するなり、お母さんスタッフにそう言った。

「お飲物選べますけど、何にしましょう?」

 テーブルを見ると、メニューがある。飲み物……コーラで良いか。

「あ、コーラあります?」

「ございますよ。かしこまりました。少々お待ちください」


 窓際のテーブル席。大きな窓で、天井から、座った膝あたりまでの大きさの窓だ。国道が見渡せる。まだバイク持ってないし、興味持って自動車学校に通い出しただけだけど、バイクショップに来るようになっちゃったな。バイクライフまでもうちょっと。

「お待たせしました。コーラ先にお持ちしました」

「ありがとうございます」

 シュワシュワのコーラだ。喉も渇いたから、ぐっと飲みたい気分だ。

「なに、乗ってらっしゃるんですか? バイク」

 お母さんスタッフが話しかけてきた。フレンドリーだなぁ。優しい雰囲気だし。

「バイクはまだなんです。いま自動車学校に通ってて……免許取ってる最中なんです」

「あら、凄いじゃないですか。がんばって~」

「はい、ありがとうございます」

「お待たせしましたーチキンサンドです」

 話していたら、チキンサンドが娘スタッフの手で運ばれてきた。美味しそうだー! カリカリに焼いたトーストでレタスやキュウリ、ジューシーに焼かれたチキンが挟まれている。もう食べるよ、いただきます。付け合わせのポテトも揚げたてだ。