天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~

 下心で近づいて来る男たちは片っ端から排除。
 後で姉に乗り換える計画で私に交際を申し込んでくる(本当にいるんだ。そういうクズ男が)男たちからの誘いを断り続けた四年間。

 こんな日々を幼少期からずっと送っていれば、心が荒んで当然でしょう?
『私の存在ってどんな意味があるの?』
 それを見つけるために懸命に自分を磨いた。

 ヘアスタイルもメイクもファッションも、バイト代のすべてを注ぎ込んで夢中で追及した。
 もともと、子どもの頃から綺麗なものに対する執着は強い。
 これは姉への反動のような、根深いトラウマみたいなものだと思う。
 少しでも自分を輝かせるために。少しでも周囲に私を認めてもらうために……!

 それはまるでダイヤモンドの研磨作業のようだった。
『マーキング』のように、悪い部分をチェックして。
『クリービング』のように、問題部分を排除して。
『ポリシング』のように、丁寧に磨いていく。

 そうやって手をかければかけた分だけ、確実に変わる姿にとても安心できた。
 そして夢中になっていくうちに、安心感は依存へと変わっていった。

 メイクを落とすのが怖い。素顔をさらすのが怖い。
 人前で、必死に作り上げた鉄仮面を外して、素の自分に戻るなんて絶対にできない。
 だって、この仮面を身につけてすら、姉に比べればゴミのようにちっぽけな存在なのに。