天然ダイヤとイミテーション・ビューティー ~宝石王子とあたしの秘密~

 隣の詩織ちゃんのパワーと生命力に圧倒されつつも、私は勉強会に集中することにした。

「それではまず、前回の復習から。ふたりとも誕生石は覚えたかな? 暗唱してみてくれる?」

 うなづいた私と詩織ちゃんが、声を揃えて宝石の名前を口にした。


 一月はガーネット。
 二月はアメジスト。クリソベル・キャッツアイ。
 三月はアクアマリン。珊瑚。ブラッドストーン。アイオライト。
 四月はダイヤモンド。モルガナイト。
 五月はエメラルド。翡翠。
 六月は真珠。ムーンストーン。アレキサンドライト。
 七月はルビー。スフェーン。
 八月はペリドット、サードニックス。スピネル。
 九月はサファイヤ。クンツァイト。
 十月はオパール。トルマリン。
 十一月はトパーズ、シトリン。
 十二月はターコイズ、ラピスラズリ、タンザナイト。ジルコン。


 ふう、これぜんぶ暗記するの大変だった!
 たぶん間違っていないはずだけれど、ちょっと不安になりながら近藤さんの顔を見たら、満足そうに頷いている。

「はい正解です。でも、そのうえで注意すべき点は?」
「各国で共通している誕生石は、一月と二月くらいです」
「そうでーす。あとは各国が独自で設定しちゃってまーす」
「はい。それも正解です」

 そう。誕生石の割り当てって、じつは各国で違うの。
 いま私たちが暗唱したのは、あくまで日本独自の設定だ。
 例えば三月の珊瑚は、日本の桃の節句に因んだピンク色を表してるし、五月はエメラルドの緑と並んで、日本の誇る翡翠の緑を表している。
 それに八月の誕生石なんて、昔の日本ではサードニックスしか設定されていなかったんだ。

 サードニックスとは、紅縞瑪瑙(べにしまめのう)のこと。
 紅色と白色の縞模様が綺麗な玉(ぎょく)なんだけど……まあつまり、見た目は石なわけでして。