「またお邪魔するよ。
もっと人々の恨みを晴らせ。
さもないと、お前もどうなるか…
ま、わかってるだろうが」
そう言って、部屋から妙に整いすぎたような冷酷そうな顔を覗かせる。
しかしその顔はどこか人間離れしている…
無造作にセットされた少し短めのブロンドヘア。
キリッと鋭く上がった眉に、いやに強調された二重の目。
そしてその中には、輝きを失った宝石のようなダークバイオレットの瞳がはめ込まれている。
鼻は程よい大きさで眉間の方まで形良く通り、唇は薄く、少し斜めらせたような表情が色っぽさを醸し出している。
なんだ、この整いすぎた顔は。
こんな人間がこの世に存在するのか?
いや…
その男の象徴とも言えるダークバイオレットの瞳が、人間ではない輝きを映していた。
くすんでいるわけでもない。
キラキラとしているわけでもない…
とにかく、なんとも言い難いのだ。
ダイヤモンドを細かく刻み、その鋭い部分だけを僅かにちりばめたような感じ…
とにかく、身の危険など忘れ、その男に見惚れてしまった…

