それから約束通り、麗奈の家に寄ってアイスを食べ…
そのまま呪い屋へと向かった。
「…ヤベ…
やっぱ緊張する…」
「今更何言ってるの。
はやく慣れないと」
そう言う麗奈はもう慣れてるんだろうか。
それとも、実の姉だからこそなんだろうか。
ガチャ、と開けるとともにチリンチリンと鈴の音が響く。
それとともに、初めて行ったあの時のことを思い出す。
そんなにまだ時間は経っていないけれど。
「…いるのか?」
完全に静まったその普通の事務所。
相変わらず部屋にはテーブルと椅子があるだけで、奥にある扉が気になる意外、特に変わったところはない。
しかし…
今日はその扉の奥から何やら話し声が漏れている…
「なんとかならないんですか。
これ以上こんなことを続けるわけにはいきません」
麗薇の声だ。
「お前が決めることじゃないだろう。
死人が何を言う」
今度は男の声だ。
何やらもめているらしい…
麗奈を見ると、麗奈はただ首を振り、口元に人差し指を当てた。
黙って聞いとけということだろう。
「だったらこのまま罪のない人に私の邪気を塗りつけるっていうんですか!
私がしたかったのはこんなことじゃない!」
「ふざけるなっ!」
とたんに
バーン!
という何かが吹っ飛ぶような音がする。
感情的になった麗薇と男の声。
思わず体が硬直する。

