「約束事…そうですねぇ…」

女は焦らすように途中で区切る。

「例えば、呪い屋への依頼は、誰でもできる、とかね」

ふふふ、と笑うと、

「まぁ、そんなありきたりな内容ですよ」

と、なんとも怪しげに言う。

「呪いの内容って…
別に殺すとかじゃないんでしょう?」

俺も、おかしくなったのだろうか。

だんだんと、興味を持ち始めているのを感じる。

何か奇妙な魅力に引き寄せられているようだった。

「えぇ、まぁ。
死ぬのとはちょっと違いますかね」

その言葉を聞いた瞬間、俺は何を思ったのか、

「呪い、お願いします!
浦山 雄介に」

そんなことを口走っていた。