恐怖に脳は支配され、先客がどうのなど、考える余裕がない。

そのまま誘導されるがままに中に入るも、部屋の中はこの間となんら変わっていない。

がらんとした部屋に、机が一つ。

椅子が二つ。

その奥に見えるドアは、きっとこないだ俺が来た時に女が姿を見せた部屋だろう。

この間と違うのはただ一つ…

二つだけ置いてある椅子の一つに、岩崎が座っていた。