* 御堂の掛け軸をめくると、その先の壁には楕円形の穴が空いていた。 そこをくぐると、一本道がくねる暗黒の道に出た。 周囲にはなにもない。 ただただ黒。 歩ける道は、朱が塗りたくられた和風の橋のみ。 漣に手を引かれ、優菜はその橋をまっすぐに進んだのだった。 数十分という長い時間をかけ、橋は巨大な檜の門へと辿り着いた。 「羅刹の門じゃ」 漣は笑う。