自殺をしてしまえば解放されたかもしれないだろうが、そんなことは、優菜はする気にはなれなかった。 彼らは“少年法”などという甘ったるい法律で守られている。 “法”というのは、どちらかといえば被害者よりも加害者を庇護しているようなもので、さらにその加害者が子供となると、なおとことアテにならない。 自分が死んだところで、彼らがこの地獄のような責め苦を負うとは思えなかった。 それならば、卒業までのあと二ヶ月を、しぶとく生き抜いてやる他はない。 そしていじめは今も、顕在している。