「ねえ、湊くん…」
ガラスコップに入ったコーヒーと氷をストローでまわすと。
カランコロンと可愛らしい音が鳴る。
恥ずかしくて湊くんの顔を見れなくて。
わたしの視線はガラスコップ。
「なに?」
「また…。
部活がない日は、デートしたい…」
顔から火がでそう。
うん、わたし…頑張ったよ。
ちゃんと言えた…。
だって今日だけなんてつまらないもん。
もっと、もっと…一緒にどこかに出かけたりしたい。
「いいよ」
「本当っ⁈」
「あぁ」
思わず湊くんを見ると、湊くんは笑ってた。
…よかったあ。
「わたし、次は…モール行きたい!
わたしね?お下がりでもらったスパイク、サイズがキツくて…足が痛いの」
「じゃあ、また次の休みんときに行くか」
「うん!」
こんな些細なことにも、なんだか幸せだと思っちゃう。
わたしは…湊くんといることだけで幸せになるんだ。
隣にいられるだけで。
笑顔を見れるだけで。
温もりを感じるだけで。
わたしはすっごく幸せになる。
恋ってすごいんだなあ………。
好きな人はわたしの“特別”だし。
それよりも好きな人の“特別”になりたいと思っちゃうんだもん。