「もしかして!」


さっきの車。


急ブレーキをかけられたとき、手提げが足元に落ちて。


慌てて中身を拾って入れたから。




「……ウソッ……」



助手席の背面に手をついていた凌牙を思い出す。


あの体勢だと、スーツの胸ポケにでも入れていた手帳が衝撃で落ちたと考えられなくもない。




……ってことは。


これは凌牙の手帳……?