凌牙が過ぎ去ったフロアは、傷の手当てを再開する人達でまたざわつきだした。
なのに、あたしだけはまだ緊張が続いている。
緊張というより拷問……。
心臓なんて口から飛び出そうだし、許されるなら気絶したい。
あの背中に、どれだけの怒りを秘めていたんだろう。
そんなふうに階段を上りながらも、置き去りにしてきた若菜が心配になって目を向けると、大翔や旬が一生懸命世話を焼いているのが見えた。
「あれ……」
上り切ってその場を見渡すと、居るはずの凌牙が居なくて。
首を傾げたあたしの目に映ったのは、突き当たりにいるテルさん。



