結局あたしと大翔との話はそこで中断されたまま、車は本部へと着いた。


留守番で数人残っている程度の倉庫内はいつもと空気が違いガランとしていて、なんだか不気味に感じた。



「ここに座らせてあげて」


大翔が案内したのは、いつもの幹部部屋ではなくて、1階にある談話スペース。


あたしもここの方がいいと思い、そこにあるソファへ若菜の体を沈めた。


「もう心配しなくて大丈夫。ここは安全だから」


「だって、ここ……」


それでもさっきと同じような空間。


変わらず怯えた目のまま、あたしにしがみついてくる。


若菜の恐怖はまだ続いているみたいだった。