そう言われてもあたしは何かをした覚えはないし、ドアの前でうろたえるだけ。



「つけろよ」


「………」


「つけろっつってんだよ」


「あ、ああっ…」


天井を指されて、灯りのことだと分かる。


慌てて今消したばかりのスイッチに手を伸ばした。


明るくなった部屋の中には、ついさっき綺麗だと思ったばかりの顔が形を崩していた。


「そこ触んなよ」


そう忠告すると、あたしに背を向けた凌牙は再びベッドに体を沈めた。