……なんてあたしの願いも虚しく。


「この間、車ん中で金髪なんて流行んないからどうのって、なあ?」


「あーあー、すっごい面白かったアレな」


旬も思い出したようにケラケラ笑うと。




案の定。


それは地雷だったのか、凌牙が雑誌をパタンと閉じ。


無言のまま立ち上がり、こっちに歩いてくる。



「……ッ…」


息を潜め、階段の途中で足止めしていたあたしの前に来たと思ったら。


目もくれず、なにも言わずに通り過ぎ、二階へあがって行ってしまった。