「……あ」


周りの景色も停止していて、家についたんだと分かる。



と、同時に凌牙の顔が頭に浮かび。



……凌牙……。



思い出したら胸が疼き出す。



会いたいのに、会いたくない。


複雑な気持ち……。



あたし、どうしちゃったんだろう……。




とにかく降りないと。


そう思って、まだだるい体を無理矢理起こすと、見渡す景色が思っていたものと違った。



つまり、ここは朝家を出た場所じゃない。



「どこ……ですか?」