昇降口で靴を履きかえている時から、いつにない視線を感じた。


少し距離を置いて、みんながヒソヒソ言っている。



……これって。


絶対灰雅効果だ。



あれだけの規模の暴走族。


それなりに覚悟はしてたけど。


はっきり言って、ヒソヒソレベルじゃない。


『あの子が?』とか『信じらんない』とか。


どうしてあたしが灰雅の幹部と知り合いなのか、疑問視する声がやたらと耳が拾う。


耐えられなくて、俯きながら、小走りに教室まで向かった。