この写真とは別にもうひとつ、お母さんの形見を持っている。


シャツの首元から、それにそっと触れた。


先端にパールが一粒ついたネックレスだ。


少しピンクを帯びた白い粒。


お母さんが生前、パールのネックレスを身に着けていたらしく。


それをお姉ちゃんが加工してくれて、お互い同じものを持っている。



「お母さん……これでいいんだよね…」


あたしはパールを握りしめ、小さく呟いた。





テルさんが持って来くれたおかげで2日ぶりに手にできた携帯。


落ちていた電源を入れれば、着信とメールの山。


ほとんどがクラスの女の子たちからだった。


交換して以来、ほとんど活用されたことなんてなかったのに。