暴走族やヤクザは、陽のあたる世界じゃない。


それでも凌牙はきっと英才な人間で。


みんなが憧れる灰雅のトップ。



……全然……違うの。


住む世界が。



「影の人生を歩んで来たあたしが、華々しく人の上に立つ凌牙なんかの彼女になれるわけがない」


論理的に無理。


「哀れんでくれる気持ちはありがたいけど、別にそういうのを求めてるわけじゃないし」


灰雅の総長やってるくらい。


凌牙にとっての"女"なんて腐るほどいるはず。


あんなに手慣れたキスをして……。



甘く切ない恋愛をしようって言われてるんじゃないのも分かってるけど。



……同情なら、されたくない。