「……やっぱ、後でいい」


特別、今話さなきゃいけない何かがあった訳じゃない。


気だるそうな反応に負けて、言いかけた言葉を飲みこんだ。


……あたしが聞きたいことは、ついでみたいに軽く聞けることでもないんだし。


「………」


凌牙はなにも答えず,、再びゆっくり階段を上っていった。



姿の消えた階段をしばらく見つめていると、


「うう~よく寝た~」


それと入れ替わるように大翔が降りてきた。


「今まで寝てたの?」


まさか寝てるとは思わなかった。


「帰ってきたの朝の6時だぜ?しかも久々にあんな大きい走りして体が興奮してなかなか寝付けないし。まだまだ寝れるって感じ」


そう言って、大きい欠伸を一つすると、ソファに体ごとダイブした。